未来から観た尊厳ストーリー
2019年5月1日
日本は元号が変わり、令和時代が始まった。
深刻な人手不足に悩まされている日本は、外国人労働者の大量受け入れと、ITによる効率化によって解決を図った。
教育レベルにおいて遅れを取る日本は、国家間の教育格差が大きく、優秀な外国人が日本人に代わり始める。
人材を募集する側は、口が達者で、社会や会社に不平不満ばかりの日本人よりは、日本語が下手でも、健気に努力する外国人の方を選択し始めた。
それに追い打ちをかけるように、テクノロジーは人の仕事を効率化するどころか、代替し始め、人間でないとできない仕事は減り、仕事が急速に制限されていった。
人手不足は解決されたが、今度は仕事不足が社会問題になった。
「あなたはもういらない」突如として、不要宣告を受けた人達は激昂した。
これまで散々こき使ってきたくせに、要らなくなったら捨てるのか!!
社会的不要宣告によって、デモ、鬱、自殺者が続出してしまった。
大量に生まれてしまった無用者階級は、ベーシックインカムによって保障されたが、財源が不安定で脆弱なこのセーフティーネットは持続不可能だった。
海洋汚染、大気汚染、は深刻になり、天然物というものは消滅した。あらゆるものが人工物になり、魚は養殖魚しか食べられなくなった。
内分泌かく乱物質である環境ホルモンが増加し、それに伴って発達障害の人間も増加した。テクノロジーは便利さをもたらしたが、同時に人間の思考力の低下ももたらした。この2つの要因と共に、人間機能の低下は著しく、現行の教育体系では対応が不可能だった。
その結果、不感症サイコパスは激増し、鬱自殺者が大量発生した。
激化する天変地異によって命を落とす者、自律型致死兵器システムによって殺されてしまう者、サイコパスによって殺されてしまう者、ドラッグに傾倒する者、VRに没入する者が後を絶たず、様々なケースはあれど、人間の尊厳を喪失した社会となってしまった。
しかし…
日本から人間機能を飛躍的に発展させる新しい技術が誕生していた。
それは薬やITテクノロジーによるものではなく、論理とイメージで実現する技術だった。
その技術によって人間機能を発展、進化させることができた人間は、これまでなかった、人間にしかできない仕事、日本人だからこそできる仕事を次々に生み出した。
そして人間の社会的価値を復活させ、仕事不足の問題を解決していった。
観点を自由自在に変化•上昇させることができるようになった彼らは、物事をより深く本質的に、より多様で多角的に、より広く俯瞰して観察する認識の力を獲得した。
その結果、人間と人間同士の理解、共感は深まって団結し、社会問題に対して熱情を持って解決に取り組み始めた。
その繋がりは男女の違い、思想の違い、民族の違い、国家の違いを超えて、世界中で広まっていった。
どのような人間だとしても、人間機能を飛躍的に発展させることができるその技術は多くの人間を救っていった。
その技術を開発した1人の男は、20年以上前から、このような社会問題が起きることを予測し、その問題を解決できる技術を開発し続けていた。
「人間こんなもんじゃない」と言い続けていたが、当時は誰にも理解されることがなかった。
しかし、実際に人間が変化していく様を見て、誰もが理解せざるを得なくなった。
人間が団結する毎に、社会問題は一掃されていった。
進化した人類は、宗教、民族、国家に拘り対立することをやめて、地球人として、宇宙人として人間同士が繋がり合い、1worldは実現し、世界平和が成し遂げられた。
子孫に問題だらけの負の遺産ではなく、平和な日常を残すことができたこの時代の人達は、後の世代の人間から深く尊敬された。
人間の尊厳復活ストーリー♪
以上です(^^)